パーソナル天文台実現までのなが~い道のり(2013/01)
by eibow

これは、eibowこと当HP管理人の、「パーソナル天文台実現までのなが~い道のり」を記録したものです。

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pod外観01 pod外観02

1.序章
2012年4月某日、携帯に一本の電話がありました。これが、これから述べる話の始まりです。
今、「花見」をしているところだから、来ないかという誘いでした。
出向いてみると、土建屋さんの資材倉庫兼事務所で、数人が「花見」と称してお酒を飲んでいました。
で、お酒を飲みながら、よもやま話をしていると、話題が私の趣味の話になりました。
つい勢いで、パーソナル天文台構想について話をしました。
実は、当同好会会長が数年前にパーソナル天文台を作られ、素晴らしい写真を撮影されていました。
国際光器が代理店になっているPODでした。これなら、うちの前の狭い道でもトラックで持ってこれるし、
安く作れるかなと内々思っていました。
その時はまだ何も具体的に考えていなかったんですが、土建屋さんが興味を示し、ぜひ手伝わせて欲しい
と言われました。
鉄骨の骨組みの上にPODを設置すれば星がよく見えるだろうと言うのです。
おまけに資材倉庫に眠っている材料を使い、安く作れるというのです。これは魅力でした。
いままでは妄想していただけでしたが、本気で考えようと思いました。
このことは誰にも話していなかったのですが、とりあえず帰って、まず妻の了解を得ようと思いました。

2.発注
我が家の庭には結構大きなスチール製の物置が設置してありましたが、この場所しかドームを設置する
スペースはありません。
先日の「花見」の席話で、PODは鉄骨の骨組みの上に設置し、下を倉庫にすればいいという構想を言われ
たんですが、そうすることにしても、まずは、この物置を撤去することから考えなければなりませんでした。
「中古の物置はいりませんか?」と、あちこちに声をかけていたところ、幸いにもご近所さんに欲しい人が
いました。で、その人にあげることにしました。
しかし、あげます、という話をしてからも、なかなか移設する日が決まりません。
撤去できる日の目処がたたないことには、PODを注文する決心もつきません。
結局、目処が立ち、やっと発注する決心がついたのは、2012/5/21でした。

3.売り切れか?
2012/5/21国際光器に発注しました。すぐに受注の確認メールが来ました。
しかし翌日、販売店担当から、実は他の担当がすでに販売済みでしたと、お断りの連絡がありました。
ぐずぐずしてて決断がちょっと遅かったなと、一旦は諦めました。
ところが翌々日、同担当から実は販売済みは勘違いで、もう1セット確保していましたとメールがありました。
で、2012/5/23 すぐに再発注しました。こんどは大丈夫です。
これで後は日本に到着するのを待つばかりです。

4.POD到着
2012/06/29、販売店担当からPODが日本に到着したとの連絡がありました。
が、いまだ土建屋さんは工事に取り掛かっていません。とりあえずPODの保管場所を確保せねばなりません。
人間ほどの大きさのダンボール箱が4つとホームページに書いてあります。かなりのスペースが必要です。
これも幸いなことに、すぐ近所で現在空き家になっている家のガレージを借りることができました。
その後、代金振込やら配達日の調整やらして、2012/07/12 にやっと到着しました。

その時(2012/07/12)の写真です。とりあえずガレージに入れました。
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5.ストラクチャー組み立て
9月中旬になって、やっと土建屋さんの手が空いたということで、作業を開始しました。
まずは、測量からです。大きさは3m×3mとすることにしました。
基礎は4ヶ所です。この上に鉄骨を立てるため、1mほど掘ってアンカーを埋めます。
後は、鉄骨を組立ててボルト締めし、その上にPODを載せられるようにしていきます。
こうして、2012/9/21に、PODを設置するためのストラクチャーが完成しました。

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pod基礎03 pod基礎04

6.POD据え付け
2012/9/22、朝から総勢6人がかりでいよいよPODの据付けにかかりました。幸い天気には恵まれました。
しかし、紙の「組立説明書」が付いて来ません。付いてくるのは「組立説明ビデオ」のみです。
一度組立経験のある会長が手伝いに来てくれましたので、会長の記憶が頼りです。
それでも記憶の曖昧な部分は、現場で「組立説明ビデオ」を再生しながら確認しました。
でも組立は思ったより早く進み、昼過ぎには完了しました。

pod取付01 pod取付02
pod取付03 pod取付04
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7.電源
赤道儀やパソコン、照明の電源をどうするか、POD導入を決めた時からいろいろ考えていました。
当初は、屋外コンセントからとればいいと安易に思っていました。
でもせっかくなら太陽光で電源を全てまかないたいと、太陽光発電システムを構築してみることにしました。
まあ、太陽光発電にかかるコストを考えれば、商用電源を使ったほうが安上がりなんですけどね。
機器の消費電力は、

(1)パソコン:21~87W なので平均54W(12V 4.5A)と仮定
(2)赤道儀:12V 2A 平均1Aと仮定
これを夜間、8時間使うと仮定すると、
12V×5.5A×8=528Wh

50Wの太陽光発電システムでなんとかしたので、引き続き充電量とバッテリ容量を計算します。
さて観測を4日に1回程度行うとすると、50W太陽電池に適したバッテリー容量は・・・

1時間に発電される電力量(Wh)は、50Whなので、1日の日照時間の統計データを考慮して
50Wh×3.5時間×4日=700Wh
と求められます。(上記計算より8時間は十分使用可能な発電量)


これを12Vバッテリーに換算すると、
700Wh÷12V=58Ah(バッテリー容量)となります。
したがって、4日以内に充電を終わらせるには、バッテリー容量は60Ah~80AhでOKです。
近所のDIYでは全く調達できないので、全て通販で揃えました。国内はもとより海外からも調達しました。
その構成は、

(1)太陽電池パネル:50W
(2)鉛蓄電池(ディープサイクル):12V36Ah 2個
(3)チャージコントローラ:MPPT制御方式 10A
(4)太陽電池用ケーブル
(5)車用シガーライターソケット
(6)端子、スイッチ、収納ケースなど

2012/10/01、太陽電池パネルを取り付け、太陽光発電システムを稼働開始しました。
(実際に使ってみた結果、1日置きでも大丈夫そうです。毎晩でも大丈夫かも・・・)

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podソーラー03

8.ピラー脚の基礎
当初、赤道儀はピラー脚を鉄骨の骨組みに直に据え付けることを検討していたのですが、
強度が足りないことがわかりました。
計画を変更して、地面からピラーの支柱を立てることにしました。しかし急な計画変更なので、
適当な部材がありません。みんなでどうしようか悩みましたが、工事は進みません。
しかし、幸運なことにいい出物がありました。当然、訳あり中古品です。

2012/10/10、これを加工して、取り付けてもらいました。
で、工事が終わり赤道儀を取り付けテストしてみると・・・・まだ強度不足です。
支柱の長さが2m以上あるため、軽く指で押しただけで揺れてしまいます。
ではと、支柱に砂を詰めてみましたが、まだダメです。

2012/10/16、支柱にコンクリートを巻いてもらうことにしました。
下は倉庫にする予定なので、じゃまになるでしょうが、望遠鏡が優先です。
1週間後、コンクリートが固まったのを確認して再度テストします。
今度はいいようです。揺れはなくなりました。

pod支柱01 pod支柱02
pod支柱03 pod支柱04
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9.階段
2012/10/19、やっと階段が付きました。それまで脚立で昇り降りしてたのですが、これで楽になりました。

pod階段01 pod階段02

10.雨漏り対策
組立マニュアル通りに作成したのですが、日本の気候では結構色んなところから、雨が侵入することが
わかりました。まあ、望遠鏡や赤道儀まで濡れることはないのですが、合板が水にかかるので片っ端から
シーリング材でコーキングしていきました。
特に、風を伴った雨では、外周パネルの継ぎ目から雨が侵入してきました。(下の写真)
継ぎ目にはシーリングテープを貼る仕様に変更するなど、メーカの対策も欲しいところです。

pod雨漏り01 pod雨漏り02
pod雨漏り03 pod雨漏り04

11.テーブル取り付け
赤道儀の下に、物を置くスペースが欲しかったので、円形テーブルの真ん中を繰り抜き取り付けました。
podテーブル01 podテーブル02

12.フロアーマット
2012/12/01、最後の仕上げとして床にフロアーマットを敷くことにしました。
土建屋さんの倉庫に眠っていたものです。中古品ですが十分です。
これをドームの形に合わせてカットします。会長にも手伝って頂きました。
広い作業場所が必要でしたので、駐車場にマットを並べ、棒とひもを使って原寸通りに
円を描き、その線に沿ってカットしていきました。
文章で書くと簡単そうですが、これが結構大変でした。枚数はあるし、簡単に切れないし、
切ったものがずれているし・・・・
とりあえずカットしたものを、POD内で再度現物合わせし、修正カットしながら敷いて行きました。

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podマット03

13.機材紹介
気がつくと、もう数ヶ月でまた花見のシーズンです。
早いもので、パーソナル天文台を作ろうと決意してから、じき1年が経過しようとしています。
最後に、1年がかりで揃えた機材の紹介をして締めくくります。
ここまで読んで頂いた方、ありがとうございました。

撮影機材
赤道儀:Kenko EQ6Pro + ピラー脚
 世界中で愛用者が多く、情報も豊富なのでこれを選びました。
マウント:ADM Accessories EQ6用サドルアダプター + Side-By-Sideマウントアダプタ
 純正のマウントはVixen互換でしたが、Losmandy&Vixen互換マウントに変更しました。
望遠鏡:Celestron C8 (D=200mm/fl=2000mm F10)
 これは[Ultima 8 PEC]の鏡筒です。1990年頃購入しました。
望遠鏡:国際光器 AL-107PH (D=107mm/fl=695mm F6.5)
 3枚玉アポ屈折が欲しかったので。接眼部がラックピニオンなのも選んだ理由です。
ガイド鏡:Bosma BO80-500 (D=80mm/fl=500mm F6.2)
 中国製望遠鏡です。コストパフォーマンスがいいですね。
オートガイダー:Starlight Xpress Lodestar
 感度がいいですね。巷のうわさ通りガイド星には困りませんね。
パソコン:中古ノート(RS232Cポート付)
 高解像度LCDでRS232Cポートの付いた中古のノートパソコンです。

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作例写真
pod作例01 pod作例02

以上