ポラリエに自作極軸望遠鏡をつけてみました(2016/02)
by urakan


1.はじめに
ポラリエ本体には標準で素通し孔が備わっており、通常はこの孔を覗いて北極星を
中心に導入することにより極軸合わせを行います。単純な手法ですが、広角~標準
レンズで1分程度の撮影をする場合には十分な精度を有しています。(写真1)

写真1



ところが得てして人は欲深いもので、そのうちより露出時間を長くしたり、より長焦点の
レンズを使いたいと考えるようになります。こんなときには、オプションで準備されている
立派な極軸望遠鏡を使うと、より正確な極軸合わせを行うことができます。
(※追記:どうやら在庫限りのディスコン扱いになってしまったようです。)

小生も、沖縄などで南天のカルドウェル天体を手軽に撮影するため、ポラリエに
135mmの望遠レンズを装着することを考えるようになりました。純正の極軸望遠鏡を
購入しようと思ったのですが、手持ちの部品が色々あったため、まずは簡易的な
ポラリエの極軸望遠鏡を作製してみました。


2.作ってみました
これが作製した極軸望遠鏡です。(写真2)
作製といっても、単に家にある部品をかき集めて組み立てただけですが・・・。
極軸望遠鏡は十字線入りファインダーを使おうと思ったのですが、たまたまアイベル社
製と思われる極軸望遠鏡がありました。簡単なレチクルパターンが刻まれています。
(レチクルパターンがなくても、中心から所定の時角方向に満月の直径の1.5倍だけ
北極星をずらして導入すると良い。)

それをジャンクの孔空きプレートに固定しただけです。

写真2



通常は、ポラリエの雲台ベースに自由雲台をネジで取り付けるのですが、雲台ベース
と自由雲台の間に極軸望遠鏡を固定した孔開きプレートを挟み込んでいます。
ついでに明視野装置(ダイソーのクリップ式LEDライト)も取り付けてみました。

安定性を保つため、極軸望遠鏡の反対側に小さなバランスウェイトを付けようと考え
ていたのですが、極軸望遠鏡自体が非常に軽量なので、そこまでの必要はないよう
でした。


3.使い方
(1)まずポラリエに極軸望遠鏡のみを取り付ける(カメラは取り付けない)。
 極軸望遠鏡は西側に配置しておく。(写真3)

写真3



(2)極軸望遠鏡の中心に遠くの山やアンテナの先端など(夜は北極星でもよい)を
 導入する。(写真4)

写真4



(3)雲台ベースの固定ネジを緩めて極軸望遠鏡を西側から東側に回す。(写真5)

写真5



(4)山やアンテナの先端が極軸望遠鏡の中心から大きく外れないようになるまで、
 極軸望遠鏡の3本の調整ねじで光軸調整を行い、(2)~(4)を繰り返す。(写真6)

写真6



(5)カメラを取り付ける。

(6)極軸望遠鏡で北極星をレチクルパターンに導入する。
 レチクルパターンの位置角を表示するスマートフォンの無料アプリがあるので、
 片目で スマートフォンの画面を見ながら、片目で極軸望遠鏡のレチクル
 パターンを同じ位置に なるように回転させるとよい。(写真7)

写真7



4.撮影例です
さて、肝心の追尾精度ですが、APS-Cサイズ一眼レフカメラに135mmのレンズを
付け、天の赤道付近を3分間ノータッチガイド撮影できました。(写真8)

写真8



5.まとめ
この自作極軸望遠鏡と純正品を比べた際の長所と短所をざっと挙げると、
(長所)
・安価に作製可能
 (といっても、手持ちの部品を新たに購入するとなると、それなりに出費は
  必要ですが・・・・・)
・撮影直前に極軸を確認することができる。
 カメラを装着したり、天体を導入する際に極軸ずれが起こりにくい。
(短所)
・撮影のたびに、煩わしい極軸望遠鏡の光軸調整を行う必要がある。
 (しかも、雲台ベースの回転軸と極軸は厳密には一致しないため、ある程度の
  誤差はどうしても 生じてしまう)
・極軸望遠鏡がカメラと干渉しやすい
 (孔開きプレートを選べばよいが、お金をかけたくなかった)
・携帯性が悪い(これは意外と痛いポイントです)
・格好悪い(個人的には嫌いじゃないんだけどなぁ・・・・・笑)

こうしてみると、万人が安定した性能を引き出すことのできる純正品の方に
分があるようです。
やはり純正品はよくできていますネ。買っちゃおうかなぁ・・・・・(笑)

ポラリエの最大の魅力の一つとして、拡張性が挙げられます。
メーカーで準備されている色々なオプション品を取り付けることにより、できることの
幅もどんどん広がってきますが、場合によっては今回のように自作品や創意工夫で
何とかすることだってできます。ベースになる本体がしっかりしているからこそ可能
なのでしょうネ。


6.余談
余談ですが、実は、この極軸望遠鏡はロスマンディ赤道儀にも装着して使用して
います。(アリ型プレートに装着)
ロスマンディの場合には、赤経ユニットの回転軸と極軸を一致させることができ
るため、極軸望遠鏡の光軸を合わせさえすれば割と正確に極軸合わせを行う
ことができます。(といっても、極軸望遠鏡の光軸調整を都度行う必要があり、
時間をそれなりに要します。)
極軸望遠鏡が準備されていない赤道儀にも使うことができます。

以上